Vol.6 森川さん in ロンドン&ベルギー
シリーズ Cohana and Ninigi
ハンドメイドに恋して、ハンドメイドと生きてる! そんな「人」を特集するシリーズです。手芸でにぎやかに実り豊かに活躍されている「人」を中心に、Cohanaとのご縁を交えて、さまざまな視点でハンドメイドの世界を紹介していきます。
Cohana and Ninigi Vol.6
森川 真彦 さん in ロンドン & ベルギー
2012年にイギリス ロンドンで、アパレルメーカー Studio Masachuka Limited を設立。日本の伝統を現代のニーズに反映した質の高いクリエイションでヨーロッパを中心に活躍されています。
作り手との距離が近いものづくりや、日本の伝統の知識と技術を伝え繋いでいくものづくり、ファッションだけにとどまることのないチャレンジをされています。
ハンドメイドを通して日本文化の豊かさを体感できる、日本製の縫製用品や素材を販売するオンラインサイト EIGHT NEEDLES も運営されており、そこでCohanaの製品も取り扱っていただいております。
Vol.5前編、Vol.6 後編の2回に分けてお届けしています。後編は、
お気に入りの作品を拝見させてください
バッキンガム宮殿にて、チャールズ国王との謁見用に製作した着物スーツです。ユニクロの服をアップサイクルし、刺し子を施しております。
なんてスペシャルなご経験!!
アップサイクルされたフォーマルシーン用「着物スーツ」
その後、ロンドン ユニクロの店舗内で展示された着物スーツ。
作業場/アトリエを拝見させてください
東ロンドンのストラトフォードというエリアにあるスタジオ。4名程の小さなスタジオです。あとベルギーにもサンプル作製が出来る場所があります。
刺し子はどんなふうにイギリスで受け入れられていますか?
メインの縫製業とは別にオンラインで日本製の縫製用品の販売も行っており、そのビジネスを通して、イギリス人はヨーロッパの中でも特に日本の製品や技術に興味を持っているなと感じています。刺し子関連の商品も非常に人気です。
刺し子はイギリスBCC制作のSewing beeという番組でも取り上げられる程です。
イギリスはダーニング発祥のモノを大切にする文化のあるお国です。繕った箇所を隠さずあえて目立たせる「ビジブル・メンディング(Visible Mending)」が人気でもあり、刺し子はそういった点でも親しみをもって受け入れられているように思います。
刺し子を採用した作品を多く手掛けられていますが、
縫製業、特にテーラードジャケットなどの製造に携わっていた時間が長かったせいか、カチッとした服作りばかりしておりました。
刺し子には、手仕事の温かい表情があり、そこに魅力があると感じています。いかに効率よく正確に服を作っていくかに重点を置く縫製業と違い、刺し子を刺すときは独特の時間の流れがあり、この点も好きなところです。納期があるとあせりますが。苦笑
刺し子に関して日本とイギリスの違いがあれば教えてください
やはりこちらの方の刺し子を見ていると、日本人ではあまり考えないようなデザインや手法などをされているなと思います。でも逆にそこから新しいものが生まれて、そうやって進化していくのかなとも思います。刺し子が一人歩きしている感も否めないですが、だからこそ、ワークショップ等を通じて刺し子の歴史や技法を伝え、それを知った上で刺し子に変化を加えることは大事だなと感じます。
作品を製作する際に気を付けていることなどはありますか?
刺し子に関しては、古典的な手法も好きですが、ヨーロッパの文化やデザインなどを取り入れた、懐かしいけど何か新しい感じのする作品を作るようにしております。寿司でいうならカリフォルニアロールのような感じでしょうか笑
創作活動において大切にされていることをお聞かせください
刺し子の作品を製作する際は基本はお客様が求めるものに沿ったデザインを作るように心がけています。自分では想像もしないような依頼がきたりするので、とてもチャレンジングですが、想像以上のものが他者と共に作ることで達成できるのが醍醐味です。
変わらず残り続けているように見えるものほど、
森川さん おきにいり Cohana こけしの針入れ |
いつも持ち運びの際に重宝しております。出張中バッグに針を入れる際、蓋ができるものがあまりないので、蓋つきのコケシは欠かせない便利なアイテムです。
また、いつも「可愛いね」とおほめの言葉を頂き、そこから会話が始まる、アイスブレカー的な存在でもあります笑。
ご協力ありがとうございました!